長崎県教育センター Web情報 第251号 (平成19年11月7日)
教育経営課 高校教育班
「日本学生科学賞」は中学校・高等学校の生徒を対象とした科学の研究作品コンクールです。
| 主催 | : 全日本科学教育振興委員会,読売新聞社,独立行政法人科学技術振興機構 | |
| 後援 | : 内閣府,文部科学省,環境省,特許庁 | |
| 協賛 | : マイクロソフト株式会社 |
このコンクールの趣旨は,生徒の科学への関心を高め,豊かな思考力の育成をはかろうとするものです。作品は,理科の学習に基づく研究記録・標本・装置・模型・図表・映像などです。
今年度は県審査に,中学校8校(36点),高等学校3校(3点)の応募がありました。県審査の結果は下表のとおりです。最優秀作品に選ばれた中学校2点,および高等学校3点は,県代表の作品として中央審査に出品しています。これまでに本県代表として出品された作品は,中央審査でも多くの入賞,入選を果たしています。
応募作品数3点
| 作 品 名 | 所属及び代表者氏名 |
| アルファルファタコゾウムシの研究T | 県立長崎西高等学校 生物部・SSH昆虫研究班 西大貴ら47人 |
| 長崎県多良山系におけるハナムグリの種間関係について〜4つの視点から「すみ分け」を解析する〜(第1報) | 県立長崎北陽台高等学校 生物部 松永唯宏ら7人 |
| 環境保全型豆腐製造の研究 | 県立島原農業高等学校 食品加工部 園田加菜美ら5人 |
応募作品数36点
| 作 品 名 | 所属及び代表者氏名 |
| セミの羽化 | 長崎大学教育学部附属中学校 3年 磯本翔吾 |
| アリジゴクの研究 | 精道三川台中学校 3年 吉永誠紀 |
| 作 品 名 | 所属及び代表者氏名 |
| お茶インクの研究 | 佐世保市立花園中学校 3年 鬼木里帆 |
| 打ち方の違いによるピンポン玉の球威の研究 | 島原市立第一中学校 3年 清水航 |
| 中国,九州地方の植物採集 | 長崎大学教育学部附属中学校 2年 南部生妃 |
| 生き物の生息する環境と生態 | 長崎大学教育学部附属中学校 2年 東美希 |
佳作(7点)
| 作 品 名 | 所属及び代表者氏名 |
| スーパーボールのメカニズム | 佐世保市立宇久中学校 3年選択理科 出崎智典ら3名 |
| 植物の成長と環境問題 | 島原市立第一中学校 1年 宮崎華那 |
| 島原の温泉水によるハツカダイコンの成長実験 | 島原市立第三中学校 2年チーム三中 吉田和可ら6名 |
| 釘の錆び方と水溶液 | 東彼杵町立千綿中学校 3年選択理科 辻田友子ら2名 |
| ムラサキキャベツによる色の変化について | 東彼杵町立千綿中学校 1年 中野真華 |
| しなしなキュウリの謎調べ | 東彼杵町立彼杵中学校 2年 熊川千聖 |
| 崖崩れ | 東彼杵町立彼杵中学校 2年 池田杏香 |
応募作品のうち多くのものは,身近な現象に興味・関心を持ち,真理を探究しようとする姿勢がよく現れていました。具体的な探究方法は,日頃の理科の学習において身につけた技能が活用されており,日々の授業が確実に生かされていることが感じられました。また,報告書には図や写真等が有効に使われており,表現力の高まりを感じました。なかでも,高い評価を得た作品は,研究の目的が明白に定められており,長期間の観察・実験をもとに結果を出し,考察が論理的で説得力があるものでした。
ただ,一部の作品に,実験方法をよく考えることなく思いつくままに行い,観察・実験の条件設定があいまいであったり,実験結果に対する検証が不十分なまま結論づけているものもありました。誰もが納得できる結論を得るためには,計画的な観察・実験を行い,結果をよく考察して,考えられる疑問を1つ1つていねいに解消していく態度が必要です。また,インターネット上にある自由研究をそのまま真似したり,出典を明らかにせずに文章を引用するなど,研究や報告書作成の基本的なきまりが守られていないものもありました。インターネットを有効に活用することは良いことですが,観察や実験の研究題材や研究方法は,独自のものでなければならないので,今後は注意してください。
県立長崎西高等学校 生物部・SSH昆虫研究班
レンゲソウなどのマメ科植物を食害するアルファルファタコゾウムシについて,幼虫期の日長時間と羽化後の行動特性の関係を解明した。また,集合するときの誘因物質が,体内で合成される集合フェロモンである可能性を示した。
県立長崎北陽台高等学校 生物部
多良山系におけるコガネムシ科ハナムグリ亜科をトラップで捕獲することにより,昆虫の「すみ分け」について研究した。連続した実地調査の結果を,@標高,A季節,B階層構造,C植生の4つの視点から分析している。
県立島原農業高等学校 食品加工部
島原温泉水を使い,豆腐製造の際に出るおからを90分間圧力加熱処理することによって,豆腐製造に再利用しようとした。地元豆腐業者と共同で製品化にも成功した。おからを溶かす方法はこれまで,酵素やアルカリ分解が常識的であったが,温泉水の成分でうまくいくことを発見した。
長崎大学教育学部附属中学校 3年 磯本翔吾
クマゼミの幼虫が土中から出て羽化する場所に達し,羽化が始まって完全な成虫になるまでの経過を丹念に観察した。写真で記録するとともに,羽化途中の個体を捕獲し,標本を作って分かりやすく提示した。
「アリジゴクの研究」
精道三川台中学校 3年 吉永誠紀
2年半にわたるアリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)の飼育を通して,研究者が感じた疑問を,様々な実験を通して検証した。@捕食するエサ,A蛹が羽化するのに適切な環境,B巣を作る利点の3点について,疑問点を解決した。