長崎県教育センター Web情報第247号 (平成19年9月4日)

-情報モラル最前線2007-

はじめに

 情報化社会のめざましい進展により,私たちを取り巻く環境は大きく変化してきました。インターネットや携帯電話などが普及することで,私たちはどこにいても最新の情報を瞬時に多くの人と共有することができるようになりました。情報機器は,生活・ビジネス・学習・医療・福祉など,実に様々な場面で活用されています。情報化社会が生み出す恩恵は,私たちの社会を維持する上で非常に重要な役割を担っているのです。いつの間にか,すっかりなじんでしまった携帯電話やコンピュータを,手放して生活することが不可能であることは,想像に難くありません。
 一方では,インターネットや携帯電話の誤った使用が原因で,子どもたちが犯罪に巻き込まれる事例も増加してきました。また,いじめの道具として使われるケースも目立ってきました。ネット上は匿名性が高いため,教師や保護者の目が届きにくい状態にあります。 仮に深刻な状況に陥った子どもがいたとしても,素早く対応することは容易ではありません。「学校裏サイト」「プロフ」など新たな問題も次々に生まれています。加速度的に進展していく情報化社会の隅々にまで対応していくことは,大変難しいことです。情報モラル教育は,まさしく喫緊の課題なのです。
 そこで,長崎県教育センターでは,昨年度から「情報モラル最前線」と題し,最新の情報モラル教育に関する研修講座を設け,その中で著名な講師の先生の講演会を開催しています。本年度は,堀田龍也先生(メディア教育開発センター 准教授・文部科学省参与)をお招きし,「教育の情報化の動向とこれからの情報モラル教育」と題し,御講演をいただきました。
 以下に御講演の内容を参考にさせていただきながら情報モラル教育についてまとめています。午前中のワークショップの様子公開講座の様子

情報化の光と影

 物事には光と影が共存しています。もちろん情報化社会にも光と影が存在します。光とは先述したように,私たちの生活における情報の恩恵です。光を見ずに影だけを教えることはできないのです。光が強ければ強いほど影への影響も強くなっていきます。
 学校に焦点化すれば,わかる授業の実現につながるICT活用は,まさしく光です。授業にICT活用をうまく取り入れることで,子どもたちの学力向上につながるという調査結果が文部科学省から報告されています。授業実践の詳細については,ここでは割愛いたします。本センターのWebページをご覧ください。
 既にお分かりの通り,影は情報化社会における様々な問題です。インターネットには,有益な情報も存在しますが,俗悪な情報も散乱しています。これら影の部分に対して「危ないからダメ」と声高に叫ぶだけでは,子どもたちには届きません。教育活動の様々な場面で,すべての教職員が子どもたちの心に響く取り組みをする必要があります。
  堀田先生は、講演の中で、情報モラル教育には生徒指導のような視点が必要であると、説明されました。以下に、先生が提案された指導の視点を記します。

情報モラル教育指導の視点

情報モラル教育に対する学校の役割

 情報モラル教育における学校の役割とは何でしょう。
 子どもたちの登下校中の交通事故を想起すれば回答は容易です。事故への対応は警察の管轄であり,治療行為は病院の仕事です。学校の重要な役割は,あくまでも未然に事故を防ぐことです。自動車事故が起きたからといって,子どもたちに「車に乗らない。」あるいは「道を歩かない。」といった極端な指導をすることは考えられません。移動の便利さという自動車の光の部分を甘受しながら,交通事故という影の部分に対応する事前の指導が重要です。情報モラル教育も同様です。教育は「未然に防ぐ努力」を怠ってはいけません。子どもたちが,情報モラルについて正しい理解をもてるよう,発達段階に応じた指導を行うことが重要です。

メディアとのつきあい方学習

 情報化社会には文字通り情報があふれています。危険な情報から未然に回避することだけではなく,様々なメディアとの上手なつきあい方を身につけておく必要があります。 メディアの特性を知り,その影響や適切な使用方法を学ぶことで,これからの情報化社会を生きる力が磨かれることと思います。
 講演の中では,堀田先生から効果的な情報モラル教育ができる資料の紹介がありました。今後の指導の参考にされてはいかがでしょうか。

お知らせ

 本センターの情報関連の講座では,すべての講座において「情報モラル指導の視点」という時間を設定し,講義やワークショップの中で,情報モラル教育について研修する機会を設けています。
 また,本センターWebページより,情報モラル指導教材のダウンロードが可能です。教室での活用した読み物資料を,一太郎・Word・pdfファイルで用意しています。ぜひ,ご活用ください。


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