『指示を理解することが苦手』な子の支援は・・・。

 子どもの実態に応じた支援方法として,次のことが考えられます
子どもの実態 支 援 方 法
< 内容の理解(聴覚認知 )>
・ 単語や指示語などを聞いただけでは内容を
 理解することが難しい。

・ 複雑な内容の会話を理解することが難しい。




         

○ 教師が要点を簡潔にまとめて提示する。

 ・ 具体的なことばで,短くはっきりと指示を出すように
  し,一度に多くのことを指示することは避ける。

○ 日常的な生活の中でいろいろな経験をさせる。
 ・ 実際の遊びや手伝いなどの体験の中で,言葉と行動等を
  結びつけさせる。

○ 目からの情報などを活用しながら,その背景にある意味や
 関係を理解させる。

 ・ 実物や実際の動作,写真・絵などを言葉と結びつけさせ
  る。
 ・ 経験したことを絵に描かせたり,写真や絵などを見て言
  葉で表現させたりする。
 ・ 身近なできごとや4コマ漫画などを用いて,前後の因果
  関係の理解を図る。
<注意の集中>
・ 集団の中で指示や注意を理解できない。
・ 話を聞くとき注意を集中できる時間が短い。

   

○ 教師は児童生徒の注意を引きつけてから話し始める。
 ・ 最初は,特定の人が児童生徒の正面から,目の高さで呼
  びかける。慣れてきたら呼びかける人や児童生徒との距離
  を徐々に広げていく。
 ・ 興味・関心のある話題や,肩に手を置くなどの身体接触
  で児童生徒の注意を引きつける。
<短期記憶>
・ 聞いたことをすぐに忘れる。
・ 何度も聞き返す。
・ 複数の用事を行うことが難しい。

                 

○ <注意の集中>の支援方法を試みる。

 ・ 具体的なことばで,短くはっきりと指示を出すように
  し,一度に多くのことを指示することは避ける。

○ 聞いた内容を復唱し,メモをとる習慣をつけさせる。

 ・ メモを利用した聞き取りゲームや伝言ゲームなどで,楽
  しみながらメモをとる習慣をつけさせる。
 ・ 家庭でも,おつかいや電話取次等にメモをとる習慣をつ
  けさせる。


『順序よく話すことが苦手』な子の支援は・・・。
 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<説明する力>
・ 人が聞いて分かるように話すことが難しい。

・ 脈絡のない話し方になってしまう。




      

           

○ 実物や写真,絵などを手がかりにして,経験したことやも
 のの説明をさせる。

 ・ 話し始めや途中で話に詰まったときは,教師がことばを
  付け加えたり,足りない要素を補ったりする。

○ カード等を用いて,話の内容の整理や順番を意識した話し
 方に慣れさせる。

 ・ 時間や番号を示したカードを並び替えさせながら,話を
  まとめさせる。
 ・ 「はじめに」「次に」「最後に」などの話し方のパター
  ンを練習させる。


* 話すことに自信をなくさないために「笑わない」「途中で
 口をはさまない」「尋ねたいことは話し終わってから」など
 周囲の児童生徒の指導にも配慮する。


『音読が苦手』な子の支援は・・・。
 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<音読>
・ 文節読みができない。
・ 文字や行をとばして読む。
・ 助詞や文末を読み間違える。
・ 音読をいやがる。




      

          

 カードを使って一目読みの練習をさせる。
 フラッシュカードを使って,単語を素早く読みとる練習をする。

 視覚的な補助手段を活用し,読むところに注目させながら音読をさせる。
 文字が大きく,文字数の少ない文章で,文節ごとに分けて書いてある本を読ませる。
 一行だけ見えるページカバー(厚紙などで作成)など,読む部分だけが見えるような教材を使用したり,ラインを引かせたりして強調する。
 文字を指で追わせながら読ませる。
 一文読みから二・三文読みへと少しずつ長文に導くようにする。

 聴覚的な補助手段を活用し,読むところに注目させながら音読をさせる。
 児童生徒の読みに合わせて指導者が追読したり,範読に合わせて読ませたりして,読みに変化を持たせる。
テープを聞かせながら一緒に音読をさせる。

 音読のまずさを指導するよりも,内容理解に指導の重点を置く。


『読解が苦手』な子の支援は・・・。
 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます
子どもの実態 支 援 方 法
<文章の内容理解>
 内容を尋ねられても答えられない。
 文章の内容について「なぜ,どうして」と理由を問われると答えられない。
 読むことに集中しすぎて,内容理解が難しい。


           
           

 〈音読〉の支援方法を試みる。
 視覚的,聴覚的補助手段を取り入れて,文章の内容理解を促す。
 児童生徒に身近な内容の本を選んで興味・関心を向けさせる。
 絵を見せたり,範読したりして内容理解をより分かりやすくする。
 読みとった内容を実行させたり,絵に描かせたりして,文章のイメージ化を図りやすいようにする。
 「言葉が書いてある2つのカードから正しい方を選ぶゲーム」「指示文の通り実行すると宝が見つかるゲーム」「指示文に従って料理や工作をする活動」など,文章を読む動機付けを工夫する。


『書くことが苦手』な子の支援は・・・。
 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<目と手の協調>
・ 太い線や点線のなぞり書きが難しい。
・ 枠の中に文字が書けずにはみ出す。
・ 文字の端を止められない。

・ 小さな文字が書けない。      

              

 輪抜き,スイッチを押しておもちゃを動かす等の注視を促す活動に取り組ませる。
 直線や曲線の縁取りをさせる。
 指でなぞらせることから始め,徐々に鉛筆で書くことへと移行していく。
 「道からはみ出さないように線を引く」などの活動では,縁取りの幅を少しずつ狭くしていく。その際,縁取りに蛍光ペンを用いると視覚的にも引きつけられるのでよい。
 起筆と終筆の目印を用いて,筆をしっかりと止めることを知らせる。
 枠の中に書かれた文字のなぞり書きをさせる。
 「すうっと引く」「ぎゅっと止める」など,言葉で表現させながら書かせる。
 書く分量を少なめにして,課題への抵抗感を減らす。



『文章を書くことが苦手』な子の支援は・・・。

 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<文章を書く力>
 話したいことや伝えたいことを文章で書くのが苦手である。
 作文や日記を書くことが苦手である。

           
          

 児童生徒が話したことを,教師が聞き取って文章にさせる。
 児童生徒が話した中から,情景などを上手に聞き出し,文章に構成できる順序などで話を聞いていく。
 文のモデルを示し,それを参考にしながら書かせる。
 書く内容を声に出して確認させてから書かせる。
 書いたものを発表するときは,事前にアドバイスを行い,安心して発表でき,成功経験が自信につながるように留意する。

 表現する力はあったとしても,書くという作業の負担から,表現することの意欲を失わせてしまうことがあります。指導で何を目指すかを明確にし,作文であればひらがなで書いてもよい,などという配慮も必要です。場合によってはパソコンや電子辞書の導入も有効でしょう。


『計算が苦手』な子の支援は・・・。
 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<計算>
・ 具体物や指を使っても計算が難しい。
・ 足し算や引き算の計算を間違えやすい。
・ 暗算ができない。
・ 筆算の桁がずれやすい。

・ 繰り上がりや繰り下がりの間違いが多い。


      
<九九>
九九は唱えられるが,具体的な計算処理が難しい。


 具体物や半具体物の操作を通して,「足す」「引く」の意味を理解させ,計算の手順に即した数処理に慣れさせる。
 具体物や半具体物を一つずつ指で押さえながら数えさせる。
 計算の仕方を言葉で言わせながら計算をさせる。
 (例)15−8。これは引き算。5から8は引けないの
   で隣から 10 もらう。1を消す。10から8を引いて2。・・
 書きやすいノートやプリントを用いながら,数字の計算による数処理に慣れさせる。
 マス目の入ったノートなど,枠を引いて桁をそろえるようにする。
 赤ペンなどで繰り上がりや繰り下がりの数を書き込み,再確認させる。
 「数の概念」「計算」が確実にできているか,再度見直す。
 手伝いなどを通して,例えば,食事をつぎ分けたり,配ったりしながら,計算につながる力を育てていく。
 児童生徒に負担をかけないように,一枚のプリントの問題数を少なくするなどして,じっくりと問題に取り組めるような配慮をする。



『文章題が苦手』な子の支援は・・・。 

 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<算数の文章題>
 問題の意味を理解し,立式するのが難しい。
 「より多い,より少ない」の理解が難しい。
 長い問題文や2〜3段階の思考を必要とする問題が難しい。

           

 文章表現の内容を具体物の操作をさせたり,図・絵に置き換えさせたりして,問題文の内容を再現させる。
 再現する際には,自分の言葉で説明させるようにして,さらに内容の理解を助ける。
 複雑な問題文を短く簡単な文になおしたり,考えやすいように内容を整理して示したりして,理解を助ける。
 「のこりは」という言葉があったら引き算などといったように,文章問題をパターン化して取り組ませることも効果的である。



『図形問題が苦手』な子の支援は・・・。

 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<図形>
・ 簡単な図形の違いを理解するのが難しい。
・ ○△□などの仲間分けが難しい。
・ 図形の特徴や概念がつかめていない。

・ コンパスや分度器を使うのが苦手である。      
         
           

 身近なものや場所などの形に気づかせ,色々な感覚を使って形の違いを体感させる。
 棒を使って色々な形を作り,辺や頂点に注目させる。
 「○△□」などのカードを使って,仲間分けやいくつかを組み合わせて,別の形を作るゲームなどをする。
 色の違いや大きさの違いなど,使用するカードの属性に変化を持たせながら取り組ませる。
 定規やコンパス,分度器などは,長さや大きさの違うものを試させながら,本人が一番使いやすいものを選ばせる。
 道具を使うときのコツを,「針をしっかりさす。右手で上のつまみを持って・・・」などと分かりやすい言葉で話す。
 コンパスや分度器の使い方を,簡潔にまとめて提示する。



『位置や空間の把握をすることが苦手な子の支援は・・・。

 子どもの実態に応じた支援方法として,次の支援方法が考えられます。
子どもの実態 支 援 方 法
<方向感覚>
自分の位置を把握できず,迷子になりやすい。
自分の机やロッカーを覚えるのが難しい。
自分の教室やよく使う教室の場所や行き方をなかなか覚えられない。

      
       
           

 マークを手がかりに,自分の机やロッカーを見つけることに慣れさせる。
 児童生徒が分かりやすく,興味関心のあるマークを用いる。 
 慣れてきたら,本人とマーク変更をともに理解し合った上で,なるべく目立たないものへと変えていく。
 「マークや案内板を使って,自分で目的地まで移動できるように練習させる。
 教室ごとの案内カードを利用させる。
 曲がり角では,進行方向に向かって配置図を回すことで,見やすくなることも意識させる。
 最初から一人でさせるのではなく,まずは教師や友達と一緒に,オリエンテーリングのようにゲーム的要素を盛り込みながら楽しく取り組ませる。