長崎県教育センター Web情報 第173号 (平成17年9月9日)

教育相談課 特別支援教育班

 弱視児の見え方と指導法について理解を深めることにより,特別支援教育における個に応じたきめ細かな指導力の育成をめざして,研修講座「弱視児の見え方の理解と指導法」が8月10日に実施されました。

〈講義〉
 
 久松寅幸指導主事が,視覚障害教育の現状と課題について,以下の内容で講義を行いました。

1 我が国の視覚障害児・者数等(在宅)
2 視覚障害教育の対象と教育の場
3 盲学校における教育の現状
4 視覚障害教育における現状と課題
 
 特に4の項目では, 世界保健機構(WHO)『ICF 国際生活機能分類』を紹介し,新しい障害観を視点とした教育の充実と理解啓発の推進をめざすことについて話しました。
〈近距離視力検査〉
 
 学校の教育現場で行う教育的視力検査としては,遠距離視力検査(普通の視力検査とほぼ同様のもの)の他に30cm距離を固定して行う近距離視力検査,距離を自由に調整して最も見やすい距離でどれくらい見えるかを測定する最大視認力検査を実施します。学習場面での近見作業において,ルーペの倍率や文字サイズの決定に際してはとくに最大視認力が重要な意味を持ちます。

 〈見えにくさのシミュレーション体験〉


 ピンぼけ状態,混濁状態,暗点,視野の限定状態等を体験しました。弱視児の見え方には個人差があります。視力の個人差ばかりでなく,屈折異常の有無や,眩しさの程度,視野の広さや中心暗点の有無などの要因が,見え方の個人差を大きくしています。

〈拡大読書器〉 
 
 
視物(見る物)をカメラでとらえてテレビ画面に映し,高倍率に拡大して見ることができる装置です。
 視覚補助具は,自分の眼の状態にあったものを使用していれば,視物そのものに特別な手段を加えることなく最も見えやすい状態にすることができます。専門的な知識を持つ立場の人に相談して最も適した視覚補助具を紹介してもらうことが望ましいでしょう。


弱視レンズ

 弱視レンズは,遠くを見るための単眼鏡(双眼鏡の片方のみ)や近くの物を見るルーペ類を指します。
〈パソコンの活用〉
 県立盲学校の濱田恭壽先生による講義・演習です。
 パソコンのディスプレイの文字が小さかったり,色のコントラストがはっきりしなかったりして見にくいときは,ユーザーが見えやすい環境設定に変えることによって,使いやすくする方法を教えていただきました。


 弱視という状態は,十人十色といわれています。弱視児の個々の見え方に配慮した指導を行うことにより,子どもたちが自分らしさを見つけて,学校や地域でのびのびと生きるための力につながっていくことを願っています。


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